意を決して、今日は小桜高校前廻りのバスに乗って帰ることにした。



次の停留所で彼女が乗ってくるはず。



一週間ぶりに会うことに、違う意味で緊張する。



どういう顔をすればいいだろうか…





…なんて考えているうちに、目当ての人が車内へ。



俺の姿を捉えた瞬間、凄まじい速さで目をそらされた。



気付かないふりをされるよりもなんだか悲しい。




…だけどこのまま引き下がるわけにもいかない。



ちゃんと話さないと。



俺より5列も離れて前に座る成海さんに、そっと近づいてみた。



「…成海さん」