成海さんの姿を最後に見た日から一週間、彼女と再会することはなかった。
そして今日、12月25日
どこの学校も今日は終業式。
明日からは冬休みで、俺たちはしばらくの間このバス停を使わなくなる。
…そんな日だというのに、やっぱり彼女は来なかった。
そして達也も。
日に日に積もる不安と焦りと引き換えに、成海さんと過ごした日々の記憶が薄れていく。
まるで夢でも見ていたかのように、儚い時間のように思える。
…今彼女がどういう状況で、どんな気持ちでいるのかが知りたい。
「なんか…悪かったな、俺のせいで…」
落ち込む俺を見てか、郁也に申し訳なさそうに謝られた。
「…いいよ、謝らなくて」
郁也に謝ってもらったって俺の心が晴れるわけじゃない。
それに、郁也がこの前何も言っていなくても、いずれこうなっていたのかもしれない。
達也が成海さんに気付くなんて、単なる時間の問題だったんだから…