海斗くんが更に1歩近づいてきた。
顔と顔の距離が近い。
初対面でこんなに来てくれるなんて、人懐っこい子だな。
「さいきんのゆずちゃんさ、なんだかしあわせそうなんだよなー」
「そうなんだ。何かいいことがあったんだろうね」
そういえば、成海さんはいつも幸せそうに笑っている。
いいことがあったのか、それとももともとそういう性格の子なのか。
ふふふと幸せそうに笑う彼女の笑顔が、頭に浮かぶ。
「うーん。いいことっていうかな…」
「え?何?」
俺の言葉に首を傾げて考えだす海斗くん。
そして小学生相手の会話にまともに返事をする俺。
会話は聞こえていないはずだけど、遠くの成海さんが不思議そうにこの状況を見ている。