「…あの…キミ、大丈夫?」
「…っ?」
とんとんと肩を叩かれて振り向いた。
「あ…」
わたしを見下ろして立っていたのは、さっき一緒にバスに乗っていた人。
「さっきから動かないから心配で戻ってきたんだけど…大丈夫?
顔色よくないけど、体調が悪いのか?」
そう言ってわたしの顔をそっと覗き込んできた。
わたしとあまり年齢が変わらないくらいの若い男の人。
高い鼻に薄い唇、切れ長の目が色っぽい。
…何でだろう…
別にかっこいい人とかが好きなわけではないのに、この人から目が離れない。
見た目じゃなくて、雰囲気に引き込まれる。
「…大丈夫?…急に男に話しかけられてびっくりしてる…?」
そう言って心配そうにわたしを見つめてくる焦げ茶色の瞳が、透き通っていてものすごくきれい。
…って…!
見とれている場合じゃないよ…!
「あのっ…ここ、どこですか!?」
藁にも縋る思いで、男の人にきいてみた。