…です…


次は………です…




遠くで車内のアナウンスが聞こえた。



そっと目を開ける。



「……え…!?」



思わず目を見張った。



窓の外は、見ぬ知らぬ景色。



辺りに何もない、閑散とした道路。



わたしが引っ越してきた街とは全く違う場所。




……どうやら寝過ごしてしまったみたい…



全身の血の気が引いてくのが分かる。



車内の冷房が寒いくらい。





頭の中がどんどん真っ白になっていくうちに、バスは停留所に停まった。



ふと見た前方の案内板には、“終点 華咲海岸”の文字。




…このバスの終点って…確か隣町じゃなかったっけ…?



たまたま調べてあった確実な情報に、更に不安になった。



……とりあえず降りなきゃ…