悠とは毎日
少し話す程度だった。

でもその少しで
日に日に思いは
募っていった。


6月

「海優ちゃんは
次の大会なにでるー?」

練習中ふと椎奈に
話しかけられた。

椎奈は同じクラスで
同じ陸上部
同じ長距離を走っている。

「うちかあ…
どーしよっかなあ。」

椎奈と走ると
とても気持ちよかった。

だけど
いいライバルでもあった。


「うちは1500かな!」
「じゃあ、うちもそおしよ」
ともに1500㍍を
走ることにした。

わたしたちの
スピードはそこそこ。
ビリにはならない程度。

「がんばろーねっ」
「うん!」

初めての大会。
期待で胸が膨らんだ。