ずるいかもしれない。

だけど耐えられなかった。


蒼とあんな雰囲気になったのは初めて。



「…じゃあやるか。」



さっそく「ここ教えて」と何もなかったかのように聞いてきた。



「これは…―」



説明してる途中、突然腕を掴まれた。

その瞬間、フワッと甘い香りがした。


蒼の匂い。
この匂いが、とても落ち着く。


「あお、い…?」


いつもとは全く違う。


力強い瞳は、反らすことを許してくれない。

反らしたくても、
反らせない。


必然的に見つめ合う形になる。