約3年半、毎日飽きることも知らずに隣を歩いてきた、私の大切なひと。
たった1人のひと。
いつもと違ってみえるのは、
日頃下ろしている前髪を、スタイリング剤であげているからじゃない。
キレイな二重が、邪魔されずにみえているからでも。
タキシードを着て5割増しくらいに男らしくみえるからでも、きっとない。
ー今日が、"結婚式" だからだ。
3年半連れ添ってきた私達の、節目の日。
… "当日" なのに。
プロポーズさながらなことを言ってくる緒斗くんに思わず笑った。
「もう、何度目のプロポーズ?」
緒斗くん越しにみえるガラス窓。
純白のレースを抜けて、純白で埋め尽くされた部屋に入ってくる光に、眩しくって目を細めずにはいられない。
光の粒子をまとった緒斗くんの顔が、あたたかさを包むようにゆるんだ。
「大事なことは、何回だって言うさ」