「…待って。それが原因で、2人は関係を持ってたってことなの?」
霞先生の想いは…、私の想いは。
ちゃんと旭日先生に届いているのだろうか。
自分のことは、答えてもくれずに。
なんでまた、私達が問い詰められているのだろう。
私達の会話は、準備室に眠る壊れた楽器のように、いくら鳴らしても、キレイなハーモニーは聴こえてこなくて。
合わせることを忘れたこの空間は、最初からずっと、窮屈だ。
「…悪いなんて、思ってないですから」
もういっそ、最初から。
全てをひっくるめて、壊してしまいたい。
何もかも。
はるとの想い出も、出逢う前から、全部。
全部を夢にしてしまえたら、嗚咽を伴うような傷みも、苦しさも、目眩も。
気のせいだと、無理してでも立ち上がれる気がするから。