この後に及んで、未だに自分は…

自分だけは純粋だと、正当化するなんて。


「……っ」


…"あの日"

旭日先生に、霞先生が裏切られたあの日に、危うさを感じるほど正気を失った先生の顔を思い出して、胸が軋んだ。


「っ、いつまで…」


白を切るつもりですか。

霞先生だけを、悪者にするつもりですか。


平然とやってのける旭日先生には、一生分からないかも知れないけれど、


誰よりも大好きで、信頼していた人に。

この先の未来を捧げてもいいとすら思ってしまえるほど、大切で、愛しい人に、

裏切られた痛みは…しんどい。



心が裂けても裂けても、足りなくて。

足りないからこそ、壊れてしまわないように、夢じゃないのに夢だと思い込んで、バランスをとる。

そうでもしなきゃ受け止めきれない、大きく重く、深い傷みを。


与えるに足りず、自分を正当化して守るなんて。



…なんて人なの。




腹が立って仕方がなくて、口を開いた言葉が、旭日先生に届くことがなかったのは…


「……!」


霞先生が、私の肩を叩いたから。