「は?なにトボけてんの?
どこまで往生際が悪いんですか?」


"私は何もしらない"

自分のしてきた行いを振り返りさえすれば、してくれれば、難なく "要因" を見つけられるはずなのに。

それすら、しようとしないで。


この後に及んで、一方的に噛まれた草食動物だと貫く旭日先生に、気が狂いそう。




自分じゃ、抑えられないの。

ー… 止まらない。




「あんたのせいで一生懸命作ったお弁当も、心も、もう全部ぐちゃぐちゃなんだよ…っ」


黒くてドロドロしたソレが、私の心を蝕んで、視界すらもぐちゃぐちゃにした。


「返してよ…っ、返して!」


"あの日" 、すがることすらできなかった想いばかりが流れ出して、

霞先生のシルバーがついた残酷な左手でも、固く握っていないと沈んでしまいそうだった。