…先生が言えないなら、私が言ってあげる。
「見ての通りです」
「え?」
「何をしてるか、なんて。あなたが今見てる現実が、答えの全てですけど」
"あの日" から、今日までずっと。
…夢の中にいる時でさえ、旭日先生に言いたいことなんて山ほどあった。
時間が経ってくれれば、冷静に、確認しなくちゃいけないことだけを見極めて、整理して話せると思ってたのに。
時間が経てば経つほど、
言いたい想いばかりあふれて、壊れそうなの。
「てゆーか、あなたもヒトのこと言えないですよね?」
「…っ、霧山!」
もうとっくに、壊れていたのかもしれないけれど。
先生が踏もうとしたブレーキは、最初から使いものにならない不良品みたいに、効果がなくて。
むしろアクセルだったんじゃないかと思うほどに、堪えてたものを溢れさせた。
「…ごめん、言ってる意味が分からないんだけど」
覚悟してたよりもずっと。
…旭日先生が、憎い。