「い、いえ! 元はぼくが悪いですから!」

そうだ。彼は勘違いをしたままだ。
まずは、謝って誤解を解かないといけない。

「ち、違うんです。謝らないといけないのは、わたしなんです!」

「え?」

「あの、誰かも聞かずに怒鳴ってごめんなさい。
わたしの、思い違い……だったんです……」

「思い違い、ですか?」

「はい……」

恥ずかしさに顔が赤くなりながら、小声で白状した。


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