「も…ぅ…やだ………」

最悪だ……。
泣いていることがばれてしまった。

最後の言葉のあの時だって、平然としてやり過ごしたのに、台無しだ。


「あの……」
「…っ…なにっ!?」
「!? すみません!」

控えめに掛けられた声に噛み付くように応えると、予想しなかった反応が返った。

なんだか、腰が低い……?

「すみません……。
ぼく、間違い電話を謝りたかったんです」

「………え?」



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