「せっちゃん見っけ!!突然走り出すから、疲れたよ……」


ハァ……と、盛大に息を吐く彼。


原田 あきの登場である。



あきが来た途端に、女の子達は、髪型を気にしだす。


所謂、アイドル的な存在なのだ。



本人が気づいているかは知らないが……。




「せっちゃん、聞いてる!?」


「あー…聞いてる聞いてる。」


「何で、逃げたの?」


そんな、見つめないでよ。


カッコいいって、言いそうになるじゃんか。



「ねぇ、どうして?」


「別、に。走りたい気分だったのよ。」




見え透いた嘘。


本当は、恥ずかしかっただけ。




あきが、好きだから。


「ふぅーん…でも、さ?そういう時は、僕も誘ってね?一人、寂しいから!!」

そんな顔、されたらさぁ……



「…うん…」


って、言うしかないじゃんか。



あきばっか、ズルい。
本当に、ズルいよ。