「──ナルオ…」

やっと口が動かした時には、それなりに頭の中で今何が起こってるんか整理出来ていた

「返事は、急がんでも待つから…」

そう言って、ゆっくり体を離してくれた

「………」

「………」
 
しばしの沈黙…

「…ごっ、ごめん、ナルオ…!!
用事思い出したし帰るな!!」

うちは、この空気に耐えられず、明らかな嘘を言ってそそくさと家を飛び出した

そっからはナルオの事しか頭にないまま、家路についてると

「驪眞!!」 

聞き慣れた声に呼ばれて、声の方へと振り向いた

「茉李亜…」