1時限目の休み時間、鈴璃が一瞬のうちにあたしの隣に来た。

「……楓…。」

「………。」

「大丈夫だよね?」

「うん。大丈夫。」

「そっか……。ならいいけど。」

また辛い思いするんじゃないかって、心配してくれてるんだ。

大丈夫だよ。


「それより……」

「ん??」

「超かっこいいじゃんっ!!!!」

「ぶっっ。」

……なにを言い出すかと思ったら…。

やっぱり、鈴璃だよなぁ…。


あたしはちょっと苦笑しながら、少し安心した。


「そんなことかー…。」

「えー。でも、ほら、もうみんなに囲まれてるよ!」

「ほんとだ………。」


要は、あたしと正反対。

みんなに無愛想で、気が強いあたしとは。

でも、まぁ。
まさか、高校でも友達ができないとは……。