「今日は転校せ――…」

途切れ、途切れにしか聞こえなくなってしまった。

やばい。

今月、テストあるからそのことかもしれない。

聞かなきゃ…。

これ以上、点数下がったらやばいんだった…。


「入ってー。」



――ガラガラ…。


誰か、入ってきた。

聞いていなくて、損した。

全く話が分からない。


「転校生の、杉下 要です。」

す、杉下……要??

眠気が一気に吹き飛んだ。


――ガタタッ。


気がつくと、椅子を倒して立ちあがっていた。