「……っ待って!」




足を止め、叫ぶ。




まだ…まだ言ってない事ある…。




あたしは松野の手をゆっくり離した。



そしてさっきの子の隣へ行く。




「…もう二度と…この子に関わらないで。この子はあたしの……」




言葉が震える。



拳をきつく握る。




大丈夫…。




「…あたしの大切な……友だちだから」




強い口調でそう言って、その子の手をとり松野の元へ向かった。



松野はビックリした表情だったが、すぐにあの優しい笑顔に戻った。




「ありがとう」




後ろでポツリと聞こえた言葉。



振り返らないで、ただコクッと頷いた。