「俺、あん時遊び半分やった。イジメも告ったんも……青がこんなになるとは思わんかった」
……最低。
心の中で呟く。
あたしは拳を握り締める。
椎名織斗は俯いたまま。
俯いたまま、小さな声で呟く。
「俺の事…許してとは言わん……。けど、脅えんといて…」
顔を手で覆っている。
あたしは、その言葉に目を見開く。
あの頃とは違う。
弱弱しい声。
あたしは立ち上がり、椎名織斗の前へ行く。
「あたし……」
椎名織斗がゆっくり顔を上げる。
あたしは、顔を上げたのを確認してから話し出す。
「あたし……許す気ないから。それに、これからも脅え続けると思う」