あたしが松野と話していると、前を歩いてた椎名織斗が振り返った。
周りを見渡す。
滑り台やブランコ、それに鉄棒がある。
どうやら公園に着いたようだ。
「松野、公園着いたから…」
『そか』
「そのままでおってな」
『うん』
松野の返事を聞き、公園に入っていった。
椎名織斗は、近くにあったベンチに座る。
あたしは、その横のベンチに座り、携帯をそばに置く。
お互い何も話さない。
どうやって話を切り出そうかと悩んでいると、椎名織斗が口を開いた。
「ごめんな」
椎名織斗の方を向く。
悲しいそうな顔……。
なんで?
悲しいんは…辛いんはあたしやで?
なんでアンタが悲しい顔すんの……。