「……こんにちは」 少し声が震える。 怖い。 だけど、下を向かない。 松野が聞いててくれる。 だからあたしは、前を向く。 数秒後、部屋の奥から人影が見えた。 「あ……青…」 「…………」 ……やっぱ…。 あたしが下を向きかけた時 『頑張れ』 そう、松野の声がした。 その言葉に、下を向くのをやめた。 そして椎名織斗の目を見る。 「話……あるんだけど」