「……どうして謝るの?」




あたしは静かに問う。



松野空は俯いた。



その顔は少し曇っている。



そして、ゆっくり話し始めた。




「だって、俺があんな事聞いたから…こんな事になったんやろ? ゴメンな…」




よく見れば、松野空の肘の部分がかなり擦り剥いている。



どうして、松野空は自分のことよりあたしの心配をするのだろう…。



あたしなんて…自分の事で精一杯なのに…。