『ちがう。 声出して話そ』 『絶対ヤダ』 『お願いちょっとだけ!』 めんどくさ…。 仕方ないか…。 『少しだけなら』 あたしはそう書いて隣に回す。 隣の松野空は急に笑顔になった。 効果音をつけるとしたら“パアア──…”だろう。 女かっつーの。 あたしは少し口もとを緩めた。