だいぶ走り続けて着いたのは、松野とよく話した場所。
そこで、あたしは立ち止まった。
近くのベンチに腰掛ける。
そしてまだ赤いであろう自分の顔を、両手で包み込んだ。
まだ心臓が凄い速さで動いている。
やばい…。
何今の!?
でもあたし……この気持ち知ってる。
椎名織斗の…あの時の気持ちに似てる。
ううん、違う。
それよりもっと。
そんな事を考えてると、また顔がどんどん熱くなる。
あたしは首を軽く左右に振った。
そしてポケットから鏡を取り出し、自分の顔を映した。
うっわ…。
そこにはゆでだこのように、顔を真っ赤にさせたあたしが映っていた。
鏡を閉じ、ポケットに戻す。
その時、ある2文字が頭の中に浮き出た。