麻奈に置いていかれて数秒後、一人屋上を後にした。



廊下を歩いていると、ちょうど松野とバッタリ会った。




「おー、宮野」




そう言って笑う。




「っ……」




なぜか言葉に詰まった。



顔を見てられず、逸らした。




何⁉



何なんこれ⁉




混乱し、頭を抱える。




「宮野?」




松野が顔を覗いてくる。




「っ…」




また言葉に詰まる。




意味がわからずその場から走り出した。



後ろでは、松野があたしの名前を呼んでいる声が聞こえる。



それにも振り返らず、ただ走り続けた。