「ちょっと聞くけどさー」
気持ちいい風が吹く屋上。
そこで、麻奈がカフェオレのストローを噛みながら言った。
「んー?」
「青ちゃんって松野くんのこと、どお思ってるん?」
「え!?」
突然の質問に飲んでいたミルクティーを零しそうになる。
どおって言われても…。
「友だち?」
「疑問系却下」
そう言って手で×をつくり、あたしの目の前に持ってくる。
あたしは頭を抱えて考える。
……うん、やっぱり。
「友だち」
はっきりそう言った。
少し気になることもあったけど、それはスルーして…。
あたしはまたストローを口にいれ、ミルクティーを飲む。
麻奈はというと、“信じられん”と言うような顔であたしを見ている。
「……な、何」
「ほんっまに!?」
「う、うん」
急に身を乗り出して聞いてくる麻奈。
驚いてミルクティーを落とした。
「あー!!」
「あ…」
「麻奈ー!!」
「ご、ごめ…」
あたしは急いでミルクティーを拾った。
幸いパックだったため、零れはしなかった。
「もー」
「ごめんー…」
「ま、いいけどさ」
あたしは気にせず、またミルクティーを飲み始めた。
「でさ、ほんまに友だちなん?」
「うん」
あたしは何気ない顔で答える。