「俺、別に欲しいわけじゃねぇんだけどっ!」




なら、一番に梨沙のチョコレートをもらって欲しいよ……




なんて事は言えないから、少し無言になる。




「それは、チョコがいっぱいもらえる人しか言えない言葉だね」
「だから、圭介もだろっ!」
「残念だけど、僕はもらえないよ。それに、欲しいとも思わない」
「大丈夫か? 久しぶりに、荒れてんな。なんかあれば言えよ?」




涼介のいいところだ。
でも、僕にとっては悪い事かもしれない……
人が悩んでいると、鋭く気づく。
でも…聞かれたくない僕にとっては……




「ま、無理すんなよ…って、こんな話し持ちかけた俺が言えることじゃないけどな!」




なんて笑う涼介を見てると、自然に元気になって行く。




そんな会話をしながらも、学校が近づいていた。