「−−−!!」

携帯の電源を入れた直後、声にならないあたしの叫びが奈津美の部屋に響いた。

「何?何?どうしたの?」

これでもかというくらいに目を見開いて奈津美が携帯をのぞいてきた。

「うわっ…」

言葉を失うとはこういうことだろう。

待受画面には“新着メール52件”と“着信78件”の文字が縦に並んでいた。

もちろん全て尚樹からで…

どうすればいいのかわからずにいるあたしと顔を引きつらせている奈津美。

「奈津…。どうし…よ…」

「う…ん…。とりあえず…電話?」