もちろん私の答えは、
「はい」
そう頷いた。
「理沙、手出して」
春人の手が私の腰から離れ、私の前に手を差し出す。
「え？うん」
私は右手を出した。
「左手」
そう言われて左手を差し出し、春人がその手を取ると、薬指にひんやりとした感触が。
それは紛れもなく指輪だった。
「うん、ぴったり」
ぴったりとそこにはめられた指輪は、とてもきらきらと輝いていた。
その後、空にかざし、それを眺める。
「ありがとう。でもどうして？」
「バカみたいだけど、いつかお前にあげるんだって思って買っといたんだ」
春人は後頭部を掻きながら照れくさそうに話す。
