これじゃあ、呆れられちゃうよ・・・。
「もう1回言って」
春人は私の両手を掴むと、優しく包むように握った。
「え?」
「“好き”って」
「…す、好き」
「もう1回」
「好き」
「もう1回」
「好き」
「もういっか・・・」
「もういいでしょ?!」
私はたまらず包まれていた手を離した。
「やっと返事貰えたからさ」
春人はとても嬉しそうだった。
(よかった、言えて)
私もホッと一息吐いた。
「理沙」
不意に春人の手が腰に回り、離れない状態になる。
「ん?」
「俺と付き合ってください」
優しく丁寧に諭すように言われる。