「そういうことだったのか・・・」
俺は二人を部屋の窓から見送る。
もちろん追いかけて、連れ戻そうと思えば連れ戻せた。
でも、あんな姿・・・・・・なんて見たら、どうにも連れ戻す気にはなれなかった。
俺はこの見合いに来る前、相手のことを事細かに調べた。
そして以外なことが分かった。
俺の幼馴染み、春人がその子の家庭教師をしていたのだ。
これにはびっくりした。だけど、恋愛には発展しないだろうと思っていた。
なにせ、春人が絶対に好きにならないタイプだと思ったから。
だけど、さっきの必死な俺の幼馴染み。
よほど好きなんだということが伺えた。
しかも、向こうだって、あんなならきっと両思いに決まってる。
俺が出たところで、どうこうできるものでもないだろう。
「・・・・・・に」
俺は一人、ただ二人のことを思った。