俺は理沙がどんな顔してるのか確かめようとすると、
「りさー」
女の人の呼ぶ声が聞こえる。
これはお母さんの声だ。
明らかに理沙を探している。
そりゃそうだ、いきなり男が入ってきて娘が逃げ出したのだから。
「一旦、出るぞ」
「え?」
そう言って、俺は理沙を抱き上げ、一気に走った。
さっき入ってきたところに戻り、靴を履き、外に出ようとすると、
「先生、靴!」
理沙はピンクの草履を指さした。
「ああ」
俺は理沙が指さしたそれを手に取り、外に出て、そのまま俺は家へと向かった。
出た瞬間、あいつが見えたような気がした。
気のせいだろうか・・・?