最後のあの顔は嘘だったのか?
あの寂しそうな顔は嘘だったのか?
俺がいなくなるからそんな顔したんじゃないのか?
そんなことを思いながら、理沙を追いかけた。
追い続けると、理沙は慣れない振り袖だったからか転びそうになる。
「きゃっ!」
俺はそこになんとか理沙の前に回り込み、受け止めた。
咄嗟に離れようとしたので俺は抱きしめて、離れないようにした。
(やっと捕まえた・・・)
最初こそ抵抗をしていたけど、俺が目を合わせると、抵抗をやめた。
理沙の顔を見ると、化粧を施していた。
(お前にこんな装飾、いらないのに・・・)
そのままが、可愛いのに・・・。