それに俺は今ちょうど、そのバイトが始まるから、その家に向かっている途中だった。 『実はさ、昨日引っ越すこと忘れてて。んで、今の家からだとその子の家に通うのに時間かかるんだよ』 そいつは淡々としていて、何も悪びれる様子もなかった。 ちょっとは気を遣って欲しいものだ。 「で、何?それで俺が担当する子の方が近いから代われと」 『そういうこと~』 なんてちゃっかりそいつは言った。