砂浜に降りて、二人で波際に歩み寄る。



パンプスの中に砂粒が入って、気持ち悪いけど…
そんなのは気にならないくらい夕映えの美しさに心を奪われた。



地平線の沈む夕陽を最後まで見届けるコトはできなかったけど。



自分を取り囲む全てのモノを一時でも忘れられた。



折れかけた心を癒すコトが出来た。



同じ湾岸線の道路を走り、横浜を目指す。



「ありがとう~」



信号待ちで停止した際に、私は佐久間君に礼を言った。



「…礼は要らない…代わりに…留奈さんの身体が欲しい」



「!!?」