翌日は昨日の雪で校庭が泥濘るんでしまったため選手と補欠のみ体育館での練習になった。

他の部員は休みと連絡網が入ったはずなのに全員が登校して校庭の整備を自主的に始めた。


「お前ら…どうして?」


小野田先輩がそれに気付いて声を掛ける。


「俺達に出来るのはこのぐらいですから。試合には出れなくても一緒に戦いたいんです。先輩達と最後の最後までサッカーがしたいんです」


本当にうちのチームは最高に素晴らしいチームだと思う。

レギュラーだけじゃない。

部員全員で優勝するんだ。


「私も整備手伝います」


私も皆と同じ。

三年生がいるこの部を一日でも長く見ていたい。


大会まで一週間をきってチームにはピリピリとした雰囲気が漂い始めた。

先輩もまた練習前も後も休憩中も、ずっとボールを触っていた。


私は話し掛けるタイミングがなく、大晦日を迎えた。