時刻は20時。

職員室や教科準備室にはまだ電気が付いているし、校庭はライトアップされているため学校の敷地内は思ったより明るかった。

私は真っ直ぐ校庭に向かって先輩の姿を探した。

だけど見渡しても見渡しても、何処にも人影は見当たらない。


会えなかった…

今更遅いの…?

もう、間に合わないの?


先輩は私のこと許してくれないかな。

もう嫌いになっちゃったかな…


先輩…会いたいよ…

苦しいぐらいにきつく抱き締めてよ…


私には先輩が必要なの…



私は薄っすらと頭に雪が積もるまで校庭を見ていた。