「恭介…私…」
恭介は私の頭をぽんっと撫でた。
「まだ遅くない。先輩を信じろよ」
「…うん。私、行って来る」
私はカラオケを飛び出し、無我夢中で走った。
先輩に会いたい。
会ってちゃんと謝って、気持ちを正直に伝えたい。
真っ暗な空から舞い降りる白い雪はまるで今の私の心を映してるかのようだった。
後悔の渦に差し込む白いキラキラした光…
もう先輩のいない世界なんて私には耐えられない。
「はぁ…はぁ…」
私は学校の校門の前で足を止め、息を整えた。
先輩は大晦日に行われる高校サッカー選手権大会の一回戦に備えてパーティーに出席せず学校で一人、自主練をしていると恭介が教えてくれた。