「ヴァンの言う通りなら…どこかの空き地ね。」

姫野が言う。

「歩いて行ける範囲なら限られるわ。」

優衣が言う。


ポツッ…

ポツッ…

ザァーッ…


雨が降りだした。

「この雨なら空を飛んで探せますよ!」

沙羅が言う。

「よし、行くぞ!!」

マリアが言う。

ギンッ!

バサッ!


姫野たちの眼が輝き、翼が生える。

「な!?」

「あら…」

華乃とアゲハがそれぞれ声をあげる。

「私もつれてってくれないかしら?」

アゲハが言う。

「足手まといです。」

咲子が言う。

「あら…

私…幸大様の気配…近くに居れば感知できるわよ?」

アゲハが言う。

「私もつれてってくれ。

こう言うのは人数が多い方が良いだろう?

冷静さには自信がある。」

華乃が言う。

「…。

姫野さん、クーニャさん、二人をお願いします。」

「わかったわ。

冬木さんは私が。」



姫野が言う。

「じゃあ…私はアゲハちゃん。」

クーニャが言う。

「私も!」

朱鳥が言う。

「…。

あなたは要らないです。」

少し低めの怒りを含んだ声で咲子が言う。


「お願い!

謝らないといけない…

それに…」

「…鼻血を拭いたらどうですか?

時間がないので与太話はあとにしてください。

先生、彼女をつれてってください。」


「うん…わかったわ。

楠木さん、行きましょう。」



バサァッ!


それぞれに飛び立つ。