「ダリシスさんの言うことが本当なら…」

咲子が言う。

「君たちは今の電話の内容が聞こえたのか?」

華乃が言う。

「私たちは耳が良いのよ。」

姫野が言う。


「焦ってるところ悪いけど…

何があったの?」

アゲハが言う。

「幸大さんが死んだ可能性があります。」


ガタンッ!

咲子の声とともに屋上の扉付近で音がした。

「誰だ!!」

マリアが素早く扉を開いた。


「わ…私のせい…」

朱鳥がそこに座り込んでいた。


「楠木さん、何でここに?」

優衣が言う。

「私が…私が…」

朱鳥が床を見つめ震える声で何度も言う。


ガッ!

咲子が胸ぐらを掴み立ち上がらせた。

「ひっ!?」

朱鳥が見たのは蒼き瞳の咲子だった。

「あ…ああ…」

朱鳥が怯える。


パァンッ!

咲子が平手打ちをする。

「あなたは何を知っているんですか?

さっさと話さないと…殺しますよ?」

とてつもない殺気を纏う咲子。



「わ…私が…人質になったように見せかけて写真を撮ったの…


それを…佐藤たちにメールで送って…

あいつらは…私を人質にとったと思わせて…

あの男に仕返しするって…

私…それに…協力して…


でも…殺すなんて…聞いてない…」


バキィッ!

咲子が殴り飛ばす。

「がっ…うぁ…」

朱鳥が顔面を抑える。