昼休み

屋上


「幸大君〜」

優衣が泣きながら言う。

「どこに行ったのかしら…

携帯も繋がらないし。」

姫野が言う。

「雨が降りそうだぞ?」

マリアが空を見ながら言う。


「な!?

沙羅君!!

血が!!」

華乃が言う。

「え?

あ!」

クーニャが言う。

「沙羅さん、鏡です。」

咲子が見せる。

沙羅の頬を血が流れる。

「でも…痛くもないですよ?」

沙羅が言う。

パサッ…

沙羅の髪が少し乱れる。


「あら?

あなた…髪飾りがなくなってるわよ?」

アゲハが言う。

「まさか…」

華乃とアゲハ以外が動きを止めた。

「幸大さんの身に…何かあった見たいです…」

咲子が左手の薬指にしている石のない指輪を見る。

石の代わりに咲子の指には少量の血が流れる。



クーニャの携帯が鳴る。

「も、もしもし!?」

クーニャが焦りながら言う。

『クーニャ?

私よ。』

「おばあちゃん?」

『幸大君はそこにいるかしら?』

「い、いないけど…」

『…。

そう…』

「どうかしたの?」


『ヴァンが…ただの血に…なったの。』

「え?」

『ヴァンが…最後に、

幸大が死んだ

空き地


この二つを言って急にバシャって液体になって…』

「そんな…」

『クーニャ…落ち着きなさい。

こういうときこそ冷静になるのよ?』

「うん…」

『じゃあ…何かわかったら連絡してね。』