橘君が吹く準備をして 構える。
「・・何吹けばいいの?」
「んー・・ 半音階を 高音から低音まで・・かな」
彼がマウスピースを口元に持っていき
美しい音色が教室内に鳴り響くーー・・
―――・・予想以上に上手い。 綺麗な音色。
力強いけどどこか繊細で、一音一音がきめ細かい。
正確な音程・・。
自分でいうのもなんだが 私も下手な方ではなかったが、
私は彼の才能に少し嫉妬した。
「これでいい?」
いつのまにか彼が吹き終えて口を開いた。
私は言葉を返そうとしたが
「すごいじゃん! やばっ 上手い!!」
真美の言葉に消された。
「・・どうも」
「これからは 曲で分からない場所あったら 橘君にきくね♪」
そういって橘君の肩をパシパシと叩いていた。
・・ははは テンション高いなぁー・・。
真美、自分で言っちゃうほど「男好き」だからなぁ・・
まぁ他の男好きと比べて真美は格段に美人だけどね。