「んー うん    すごい美形だよね。 確かにそうはいないね。
 あんな人。     でもさ 葵ちゃんの中で一番かっこいいのは
 『アイツ』じゃないの?」


私が口にした、『アイツ』という単語を聞いた瞬間、耳まで赤くする葵ちゃん。



「ちょっ・・・奏!  ……でも本当に・・あいつの方がかっこいい・・です・・・///」



 『アイツ』というのはD組の河村悠輔のことだ。
去年、葵ちゃんがずっと片思いしていた相手で、あっちも好意を寄せていたらしく、冬にめでたく付き合って 今も続いている。



「ふーん  どこがいいのか理解できないし・・ したくもないけど。」


 「奏ひどっ!  悠輔かっこいいじゃん!  優しいし・・運動神経いいし  ちょっとデリカシーないけど・・」



「嘘嘘。 冗談だよ。    君達お似合いだよ?」


そう私がいうと、彼女は顔を赤らめつつ、心から幸せそうに
「奏がそういってくれると嬉しいな♪  ありがとう」
 と言った。