「風呂はいるか」
「そうですね。じゃあ、瞳子を後で連れてきます」
後ろから拓斗さんに抱きつくのをやめて瞳子を受け取る。
「久しぶりに優子も一緒にどうだ?」
「えっ」
「待ってる」
待ってると言いながら私の頬にキスした後、私の返事を待たずに拓斗さんはリビングから出ていってしまった。
唇が触れた頬がまだじんわりとしていて、ボーッとしていると瞳子が動き出して。
そんな瞳子を見ながら私はこう呟く。
「――ねぇ、うーちゃん」
聞いていたかもしれないけど拓斗さんの次のお休みはお願いがあるの。
その日だけはママから拓斗さんの妻させてね?
そしてその間は拓斗さん独占させてね、と――…