「飯田さんなんだって?」
「電話したのは拓斗さんじゃなく串田さん。串田さん曰くもう少しだって」
ぶらんとソファーから手を投げ出し天井を見上げた。
その横でせかせかと掃除機を動かすお母さん。
「ねー、やっぱり見てきた方がいいのかな」
「さあ」
「さあって…。私凄く真剣なんだけど」
拓斗さんと気持ちが通じあってから…
数日会えない事はあっても、数日声を聞かなかった日はまずなかった。
気持ちが通じあう前だってメールくらいは来てたし。
「飯田さんと約束したなら守りなさい」
「分かってるけど」
分かってるけど会いたいのは会いたいし、声を聞きたいのは聞きたい。
もう我慢できないよ…