「あら、優子ちゃん?」
「おばちゃん」
実家の周りを散歩中。
近所でおでん屋さんを経営する朝倉おばちゃんが、暖簾からひょこっと顔を出した。
「あらまぁ、大きくなって」
「えへへへ」
「外は寒いでしょ?折角だからおでん食べてってこういう日はおでんで温まるのが一番よー」
おばちゃんの営むおでん屋さんは住宅街にあるような、普通な住宅一階部分を改造したお店で。
だから近所に住む人くらいしか知らない所。
それでも素朴さを売りにして、
お袋の作るおでんに似てるいるから!と言う常連さんがかなり多いみたい。
「優子ちゃんのお母さんから聞いたけどお母さんになるんだって?はい。これは優子ちゃんの好きな大根と玉子」