無意識の内に探していたトイレマーク。
エレベーターを降りてすぐの非常階段とは逆の方向の場所で見かけた。
「流石ね」
「いや、そんな事は…。っていうかちょっと恥ずかしいです」
わいわいお義母さんと話しながら。
ガチャリとドアノブを回せばお義母さんの足はピタリと止まり。
――私の足もピタリと止まった。
「……」
「……」
ガチャリとドアノブを回して視線が捉えたのは廊下の壁でもなく。
勿論、廊下の床でもなく。
「来てたのか」
「ええ、優子さんと」
スーツを着たお義父さんと拓斗さんだった。
こ、これは…
ビックリ作戦失敗なの、かな?