『あら、そうなの?』
「そうなんです。だから、お義母さんからなにか意見を聞きたいなと思っていて」
受話器を握る手に少し力を入れてお義母さんからの返事を返事を待つ。
『選択は難しいわよね』
「ちなみにお義母さんは…?」
『総合病院だったわ。本当は家か産婦人科を望んだのに主人がそれを許してくれなかったのよ』
お義父さんも…
やっぱりお義父さんと拓斗さんは親子だからそういう所も似ているのかもしれない。
『拓斗はなんて?』
「拓斗さんは今通っている産婦人科ではあまり賛成出来ないって感じです。やっぱり設備の整った方がいいって」
フフフ、と受話器の向こうからお義母さんの上品な笑い声が聞こえてくる。