----ドンドン!

息が苦しくなりヒロさんの胸を叩いた


「ハァ.ハァ.ハァ」
やっと解放され息が切れ切れになってる私に

「このことは僕と桃さんの秘密です」


「へ・・?」


「それとこれは今日のお礼です」

おもむろに小さな紙袋を私に差し出した


「頂けません!!」


「桃さんが貰ってくれないと捨てるだけです」


うっ・・

そんな事言われたら貰わなきゃいけないじゃん!
てゆか、さっきのキスは何だったんだ!!


一人頭の中でヒロさんに文句やら疑問やらを言っていると

手を捕まれて紙袋を握らされた

「帰ってから見て下さいね」

ヒロさんその場を離れようとした時

「あの!」

さっきの出来事が何だったのか気になり呼び止めた


「何ですか?」


「あの・・何で私にキスなんかしたんですか?」


「・・・秘密です」


そう言ってヒロさんは妖艶に笑った


「じゃぁ私の中で無かった事にしてもいいですか?」

ヒロさんは既婚者
独身なら問題なかったけど奥さんである菜々さんを知ってるだけに心が重くなってく

こんな事あっちゃいけない

自分に言い聞かせていた


「ではまた明日」


ヒロさんの車が消えるまでボーッとマンションの前から動けなかった


帰り際ヒロさんが私に
「桃を誰にも渡したくない」

そんな言葉を残して